伊勢で詠んだ二十の発句の鑑賞の為に!
(1)松尾芭蕉と伊勢神宮外宮

松尾芭蕉は、六度に及ぶ伊勢参宮で二十を超える発句を詠んでいます。江戸時代のベストセラー、旅の案内書「東海道膝栗毛」に弥次郎兵衛と喜多八の伊勢参詣記が語られています。現代松尾芭蕉の解説書は伊勢神宮に関して、江戸時代の神都伊勢山田の知識は弥次郎兵衛と喜多八よりも劣り、基礎知識が無い為、芭蕉の句が全然理解されていない様に思われます。


伊勢神宮 子(こ)良(ら)(物忌(ものいみ))

例えば
笈の小文(貞享五年) 御子(おこ)良子(らご)の一本ゆかし梅の花



中世の巫女(みこ)
(七十一番職人歌合)

この句‘’子(こ)良(ら)‘’を巫女(みこ)と勘違いしている解説書が多く見受けられますが、巫女(みこ)を意味するのであれば(一本ゆかし)にはなりません。子(こ)良(ら)とは巫女(みこ)でなくて伊勢神宮では(童女の物忌(ものいみ))を指します。広大な神域で童女が一人、大御神に常仕している姿を芭蕉が可憐な一本の梅になぞらえた情景が浮かび上がってきます。江戸時代では、北御門(きたみかど)の鳥居を過ぎた右側辺りに子(こ)良館(らたち)がありました。残念ながら現在は明治政府に依り取り壊されてしまい存在しません。


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